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母乳とくすりのハンドブックのご紹介

 すっかり寒くなりましたね。今年も、

「薬をのんだので、『母乳を飲ませないで』と言われたので、やめてたらおっぱいが痛くなっちゃって助けてください。」と電話がかかってくる季節になりました。(^_^;)

ああ、冬だなあ・・と思います。

「風邪薬飲んでも、母乳あげられるよ~。帝王切開のときは、抗生剤・痛み止め・麻酔薬・消炎剤・消化薬・・・いろいろ薬を使うけど、おっぱいげるでしょ~。乳腺炎のときだって、病院に行くとでるのは、同じような処方だよ~。呼吸器に炎症があるのが風邪、おなかに炎症がきてるのが腸炎、おっぱいに炎症があるのが、乳腺炎。基本となる処方はおんなじ。たま~~には母乳をあげられない薬もあるけど、そんなのめったにないんですって。マッサージになんかこなくていいよ。あかちゃんに飲ませちゃいなよ~。楽になるよ。」な~んて、電話相談を日に何度もしています。

 処方した医師は、『薬飲んでる間は、母乳休んでね。』と気軽に説明するんでしょうけど、授乳中のママにとって、授乳の一時中断は、乳腺炎への新たな困難のはじまりであり、断乳への道です。

薬の説明書にも、「妊婦と授乳婦への安全は検証されていません。」と必ず書いてあるので、薬剤師さんも同じような説明をして薬をくれます。

妊婦さんや授乳婦での実験はできませんから、データがなくても当たり前です。

 風邪は治っても、うったい性の乳腺炎を発症します。

どうして、「急に授乳を中止したら、乳腺炎になるので母乳は搾乳して捨ててくださいね。」とか言ってくれないのかなあ。

しかも、風邪のウィルスに効く薬は、まだこの世にないはずなので、はんとうにその薬のおかげで風邪が治ったのかも定かではなし・・・・。

母乳と薬の本は、これまで英語の論文や何万もする高価な本しかなかったのですが、最近、大分県地域保健協議会が300円という画期的な値段で出版してくれました。

しかも、ネット上で無料公開しています。大分県、素晴らしい。えらい!

母乳とくすりハンドブック

安全か、危険か?の二者択一とはなりませんけど、

多くの薬は授乳しながらでも飲めるのがわかります。

日本人は、お薬が大好きで、病気すると飲まなくちゃいけない気になってますけど、

本当にその薬で回復したのか?実は治る時期が来て治ったのか?考えさせられるような話がいっぱいあります。

最近は、ジェネリック医薬品がおおくて、商品名を聞いただけでは、なんの薬かわからなくて、相談されても答えようもないケースも多くあります。

ただ言えることは、すべての医師と薬剤師が、母乳にくわしいわけではないってことと、「薬をのんだら、授乳禁止ってわけではない。おおくの薬はのんでも授乳できる。」ということです。

お母さんの健康は、何より大事ですから、母乳をやめてでも、飲まなくてはいけない薬もあります。

繰り返しますが、母の健康あっての母乳育児。本当に必要な薬は処方通りに飲んで元気になってください。ママの命が大事です。

癌の薬や精神科の一部の薬、ホルモン剤などです。長~くのみ続けなくてはいけないもの、飲んだら眠くなるものは、授乳には適しません。

その他は、「麻薬と抗がん剤以外は、たいがい大丈夫じゃないの?」といわれています。

そのぼんやりした話しをちゃんと本にまとめて、大分県は本当にえらいと思います。

大分県知事は巻頭言で、「授乳中の母親の不安の軽減につながり、『子育て満足度日本一』の実現の一助となることを祈念します。」と書いておられます。

きっと、いい人なんだろうなあ~。

すてきです。

ちなみに、インフルエンザ予防接種、妊婦も授乳婦も受けられます。

みなさん、受けましょうね。


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