「母乳をやめた後のマッサージをしてほしいんです。そのままにしておくと、ヤバいって聞いたんで~。」と最近よく電話がきます。
3・4月は、断乳の季節です。
お子さんが保育園や幼稚園に入ったのを気に、エイヤっと断乳に取り組むお母さんが多いからかもしれません。
そんな電話が、いっぱいです。今年は、特に多い気がする。ネットなどで、話題になっているのかなあ?
1歳半の歯科健診のあとも同じような電話が、いっぱいきます。
「まだ飲ませてるの?虫歯になるよ?」と言われる事もあるらしいのです。 (そんなことないのにね。)
助産師:「母乳をやめて、おっぱいが痛いとか、しこりが苦しいとか、止めたいのに止まらないとか、なにか日常生活に支障があるなら、手当てした方がいいので、お手伝いします。
でも、今、痛くもかゆくもないのなら、何もしなくていいんですよ。
授乳をやめても2~3ヶ月は刺激するとおっぱいがでるけど、そっとしておけば自然にでなくなりますよ。」
ママ:「古い母乳をそのままにしておくと癌になるって。
それに、手当てしないと更年期がきついって、聞いたことがある。
次の子のときに、母乳が出なくなるって。」
助産師:「むむ~。そんなことどこで聞いたの?」
ママ:「ママ友とか、ネットとか・・。お婆ちゃんもそういうし。」
助産師:「ふ~む、そうですか~。母乳をやめた後の事が心配なんですね。
お産や子育てには、いい伝えや習わしによるオマジナイのようなもの多いから、医学的に根拠がない言い伝えのようなものもまじりあっているんだと思いますよ。
火事を見るとアザができるとか、トイレ掃除をすると美人が生まれるとか、聞いたことないですかあ~?。
どんな準備をしていても、4人に1人は更年期障害が起きるし、母乳は初産よりベテランになるほど出易くなるもの。
母乳を飲ませたお母さんの方が、あげていない女性より乳癌が少ないという調査は、あるけど、
なりやすいというのは、聞いたことがないですね。
授乳は乳癌発症リスクを関連するか?ということについて、
「授乳経験のない女性は、授乳経験のある女性と比較して乳癌発症リスクが高いことは確実である。」
「授乳期間がながいほどして乳癌発症リスクが減少することは確実である。」
と、日本乳癌学会の「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン 疫学・診断編 2011年版35ページに載ってました。
乳癌は、22人に1人くらいが発症するそうですよ。
乳癌が心配な時は、助産師にマッサージを受けるのではなく、乳腺外科で乳癌健診を受けるのがよいと思います。」
ママ:「飲ませないで搾りもしないとしたら、溜っていた母乳はどこに行くんですか?癌になりませんか?」
助産師:「チチのもとはチ。血液です。血液は、材料を運ぶ役目と、いらなくなった物を取り去って、おしっこ・ウンチにして排泄させる役目もあります。搾ってばかりいたら、授乳しているのと変わりがなくて、母乳がつくられ続けるので、なおさら母乳が止まらなくなってしまう。苦しくないなら、そっとしておいた方が、早く止まると思います。
偉いですね。よく頑張って、ここまで飲ませましたね。卒業おめでとう。
でもでも
これからのお子さんとの生活に心配があるならいつでも、相談にのりますよ。
そのときは、予約してどうぞ、おいでください。」